新企画:BTI-J インタビュー 鈴木 孝信先生

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ブレインスポッティング(以下BSP)に携わる方々へのインタビュー

最初のインタビュイーはブレインスポッティング・トレーニング・インスティチュート日本(以下BTI-J)代表 鈴木 孝信先生です。

鈴木 孝信

PROFILE:
ケンタッキー州立大学、マサチューセッツ州立大学修士過程、アダムス州立大学博士課程修了。
東京多摩ネット心理相談室 代表
BTI-J日本代表
BSP国際トレーナー

 

鈴木先生とBSPの出会いは?

最初の出会いは2013年、BSPの本でした。今までと何か違う、これはすごいものに出会ったと、本格的に動き始めたんです。最初のイベントは開発者のをDavid Gran博士をWEB上に招いて行ったウェビナーです。彼は日本のセラピストたちにBSPを紹介してくれました。その時僕は通訳を行い、多くの人に興味を持ってもらいました。僕のBSPとの本当の出会いという意味では、Davidとの直接の出会いが大きいでしょうね。BSPの内容もですが、彼の人柄、人間性に触れ、さらに学んでいきたいと思ったんです。

何故 BSPを「セラピーの理想形」であると思うのか?

心理療法だけではく、他の世界にも言える事でしょうが、例えば格闘技、柔道・剣道などのスポーツもそうだし、型を身に着けるだけでなく、最終的には型から出て、自分なりに活用していく事、オリジナリティーを見つける事が大事だと思うんです。BSPはそれを推奨しているんです。認知行動療法など、プロトコル通り、マニュアル通りのやり方を推奨されがちだが、マニュアル通りだと目の前のクライアントさんが見えなくなってしまうことがあります。それは問題であるとDavidは考え、しっかり目の前のクライアントさんを見て応じていきましょうと言っています。BSPでは『不確定性原理』と言ってますが、それが基本であり、セラピーにおいて一番重要であると思うんです。

BSPは技法か?

僕はBSPを技法とは思ってないんです。セラピストの在り方であり、態度であると思うんです。僕のセラピーはすべてBSPの態度で、目の前のクライアントさんに寄り添っています。技法を使う、使いこなすと考えているセラピストが多いが、どのようにクライアントに向き合うかの方が効果的には断然大きいと思うんです。技法より正しい態度をもって向き合ってほしいなと思うんです。BSPはそれを教えてくれるんです。

BTI-J設立からの軌道

2015年から僕が日本でトレーニングを始めてもうすぐ10年。あっという間で楽しい時間でした。Davidからはかなり評価をしてもらっています。世界中に広まっているBSPですが、発祥の地アメリカに次いでトレーニングを受けた人数が多いのが日本とオーストラリアです。それこそBTI-Jの成果であると言えます。ただ、目指すところはここではなく、BSPが学生の教育でも行われるようなカウンセリングの基礎として学習してもらえるものになっていけばと思います。

癒しを与え続ける鈴木先生の癒しは?

トラウマを扱うセラピストをDavidはヒーローだと言っていますが、話を聞くことで想像することで自分は体験していないんだけど、2次的な傷を負ってしまう事もよくあるんです。それは癒されるべきです。もちろん気分転換も大事です。そこに注目しすぎていると傷が深まるばかりなので、そこから離れる、離れると傷は深まらないという意味において大事です。ただ傷は残っています。それはやはり癒されるべきです。僕はBSPのセッションを通じて、クライアントさんと一緒に癒されています。つまり傷を作らないという方法を選択しています。クライアントさんと一緒に体験・共感してクライアントさんと一緒に終わらせていく。そうする事で自分の2次的な傷を癒し、また、2次的な傷から自分の本当の傷にも繋がっていき、それさえも癒されていくというようなところがあるんです。それが実際に僕に起きていることだし、おそらくBSPをやっているセラピストにも程度の差はあれ、起きているんじゃないか、癒されているんじゃないかと思います。

2024年11月20日 BTI-J広報

 

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