2020年10月11日、『第1回 日本ブレインスポッティング研究大会』を開催しました。
140名もの方が参加した大会は、今後の日本におけるBSPの発展を力強く予期させ、無事終了しました。
●第1回日本ブレインスポッティング研究大会のご報告とお礼
大会長 太田茂行
先の10月11日に、第1回日本ブレインスポッティング研究大会を無事に終了いたしました。当日は、北海道から沖縄まで140人ほどの参加者が集まりました。ズームによる研修でしたが、朝の10時から16時まで、発表と討議が熱心に行われました。比較的スムースな運営ができたのも、ご参加の皆様のご協力によるものです。大会委員一同、感謝しております。どうもありがとうございました。
当日のプログラムは、個人発表が7件、ランチョンミーティング(話題提供)が一つ、最後にはBTI-J代表であり国際トレーナーでもある鈴木孝信さんの特別レクチャーという盛り沢山の内容となりました。どのご発表にも複数のご質問やコメントが出されて、いろいろな学びの契機となっていたと思います。
今回の経験をもとに、また次回へと続けていけるよう、BTI-Jとしても一層頑張って活動していきます。どうぞ、今後とも、応援してくださいますよう、お願い申し上げます。
大会委員を代表して、以上ご報告とお礼を申し上げるとともに、皆様のご健康とさらなるご活躍を祈念しております。
ありがとうございました。
●実証と理論的根拠のある心理療法を目指して
大会委員・BTIJ代表 鈴木孝信
BSPの日本での導入以来、日本におけるブレインスポッティング関連の活動は教育のみに限られていました。そんな中で、大会委員長の太田茂行さんを中心に、BSPを深く理解する目的で実施した今回のイベントは、BSPの日本内における立ち位置を確立する基盤となったように思えます。
数百とも言われる数の心理療法が開発されつつある現在、臨床的根拠や理論的根拠、そして経験的(実証的)根拠を固めて、多くの臨床家の学びの対象となる心理療法もある一方、一時期のブームで注目を集めるも、廃れていく心理療法も無数にあります。ブレインスポッティングは、ランチョンミーティングで太田さんが述べたよう、新しいパラダイムを持つ「これからの心理療法」の原型だと僕には思えております。特別レクチャーで述べたよう、文化的な適応を成し遂げながら、そのエッセンスは末長く語り継がれるものであると確信をしています。そんなブレインスポッティングを「流行りの方法」で終わらせずに、普及していくことはBTI-Jの大きな使命であり、僕のライフワークとも言えるでしょう。
そのため今後日本では、BSPの教育方面の活動だけでなく、研究の方面にもより積極的に活動の幅を広め、まずは「実証のある心理療法」の仲間入りと、そして理論的根拠を十分確立することを目指していけたらと考えています。つまり、今回の研究大会を基盤に、さらなる規模の研究大会の実施と、それに伴う研究活動、そしてそれを支える基盤(団体)の確立を目指していきたいと考えています。今回の大会の成功は、BSPの行先を照らすような、一筋の光のように感じられています。
●ランチョンミーティング、特別レクチャー 動画視聴
BSPとEMDRの臨床的異同について(太田茂行)
BSPの文化的適応(鈴木孝信)
※パスワードはどちらも「20201011」です。
〇 第1回 ブレインスポッティング研究大会 〇
【開催日時】
2020年10月11日(日)10:00-16:00
【開催形式】
オンライン(Zoom)
【プログラム】
「開会挨拶」 鈴木孝信(BTI-J代表/杏林大学) 総合司会:太田茂行
個人発表1 「身体化症状を呈したアスリートへのブレインスポッティング」 渡辺晋吾(運動器ケア しまだ病院) 司会:鈴木孝信
個人発表2 「複雑性トラウマにTFTとブレインスポッティングを併用した事例」 関根恵(こころと育ちの相談室 みなみな*のんの) 司会:渡辺めぐみ
個人発表3 「武道・武術における目付とブレインスポッティングの各技法等の共通点と相違点について」 中島賢(法務省広島矯正管区第三部少年矯正第二課) 司会:太田茂行
個人発表4 「ブレインスポッティング施行中にタッチングを活用することの効果について」 西田正憲(せとぐち心療内科クリニック) 司会:鈴木孝信
昼食休憩およびランチョン話題提供「BSPとEMDRとの臨床的異同についてー体験的実感から」 太田茂行(生活心理相談室 ナヌーク)
個人発表5 「BSP技法の拡張―「もう一つのZ軸」の発見と活用」 草柳和之(メンタルサービスセンター/大東文化大学) 司会:鈴木孝信
個人発表6 「いじめの後遺症に苦しむ高校生へのBSPセラピーの過程;ロールプレイングゲームを応用した心理教育との併用」 鈴木真之(名古屋子ども応援委員会) 司会:深谷篤史
個人発表7 「アルコール依存症のBSP クロコダイルモデルを用いた事例」 檜原広大(カウンセリングルーム セコイア) 司会:鈴木孝信
特別ミニレクチャー「日本におけるBSPの文化的適応」 鈴木孝信(BTI-J 代表/杏林大学)
「閉会挨拶」 進行:太田茂行
【主催】
ブレインスポッティング・トレーニング・インスティチュート日本(BTI-J)
大会長:太田茂行(生活心理相談室ナヌーク:BTI-J 役員)
大会委員:鈴木孝信(杏林大学:BTI-J 代表)
深谷篤史(如月心理相談室/NPO法人メンタルコミュニケーションリサーチ)
渡辺めぐみ(常磐大学人間科学部)
2020年10月14日 BTI-J
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